投資と投機と博打

投資は中長期的に収益の獲得を目指します。したがって、投資ターゲットの現在資産だけでなく、その資産を活用し増やしていくことができるのか、そして、その資産の活用で持続的に収益を生みだすことができるのかを見定めます。つまり、何らかの競合他社とは差別化された強みを持っており、その強みを簡単にまねされることなく、もしくは特許等に守られ継続的に市場で強みを発揮でると考えられたら投資を行い、中長期の将来に収益を刈り取ろうとするものです。特別なこだわりの品種米を特別なノウハウで植える農地を購入し、その特別な米を育てて市場で売り、その収益を得るようなものです。こだわりの品種と特別なノウハウがあれば、簡単に他社にまねされませんよね。よって、機密情報が漏れない限り、持続的な競争優位性を保つことが可能になります。

 

投機は短期的に収益の獲得を目指します。現在の資産が何らかの要因で短期に高くなると予想されれば投機を行います。ただし、このような資産は短期に安くなるというリスクも想定され、大損することもあり得ます。FXやデイトレ―ドがまさしくこれに当てはまります。付加価値の高い農地を購入し、なにも植えることなく、短期で高くなった瞬間に売却するようなものです。

 

投資も投機も現在の状況を分析し、未来の動きを予測していることは同じです。ただし、投資の方が目先の変動に一喜一憂することなく、持続的競争優位性のあるものなら、収益という実を投資家にもたらすでしょう。

 

これに対し、博打は運です。コインを投げて表が出るか裏が出るかを当てるようなものです。そこには現在の分析も分析に裏付けられた未来の予測もありません。一般的に神にでも選ばれない限り勝ち続けることは不可能です。 

 

投資としての不動産

短期で不動産転がしを行い利ザヤを稼ぐならともかく、一般に不動産は投資になります。では、不動産の何を投資の判断としますか。

基本的に何らかの理由で一等地であることです。住居ならば、誰もが住みたい(とにかく利便性が高い/駅から1分、日常品から高級品まで買い物に困らない、所有していることに社会的優越性を感じられる等)と思うことです。つまり、多くの需要があるということです。もちろん、建物そのものが構造的耐久性、機能性、デザイン性を備えていることはいうまでもありません。リゾート地ならば、知名度が高く、誰もがそこへ行きたい、そしてそこでのサービスを受けたいと思う特別感、高い満足感があるかということです。たとえばディズニーランドはいかがですか。誰もがそこへ行き、そこでのサービスを受けることに特別感や高い満足感を得ていますよね。だから、大人 ¥7,900 - ¥10,900という高額な入場料を払ってでも多くの人が絶えることなく足を運ぶのです。ディズニーランドで受ける差別化されたサービスの希少性とそのサービスが陳腐化することなく、常に高いレベルで創造的に、かつ継続的に提供されていることが、まさしくディスに―ランドの強みであり、他社にまねのできない持続的競争優位性ではないでしょうか。この意味で、リゾート地にはディスニーランドと同じく高いサービスレベルをその訪問者に与え続けることができるかということが肝になります。もうお分かりですね。そのサービスを誰が提供するのかということも重要な投資の判断基準となるのです。

以上を念頭に不動産価値を判断し投資を検討していかがでしょうか。

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